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元々は嫌いだったと思う。
己が忍びであることに嫌と思うたことはない。普通に暮らしている人を妬んだこともない。己が忍びになったのは必然のことであったと思っていたし、これからもそう思い続けるだろう。たまたま生まれた場所が忍びの里だっただけのこと。忍びの技を躾けられて、それがたまたま秀でていただけのこと。それだけのことだ。
ただ、あれは違った。異彩を放っていた。完全に住む世界の違う自分を日の下へ連れて行こうとした。だから苛々して、嫌いだった。何度諫めても諫めても連れて行こうとするものだから。連れて行く・・・?否、あれ自身が日だった。日に慣れていない己の目を焼かれそうになった。思わずあれの手を打ち払い、逃げた。それでも追うて捕まえんとしてくるあれ。違う世界同士を隔たる谷さえも飛び越えて此方へ来そうだった。
仕方がなかったと言えばそうかもしれぬ。しかしどこか頭の中では自ら望んで行ったのだ、という気がせんこともない。
鴉は闇の生き物。黒は黒の中でこそ生きる。それがあの青い空を飛んでみろ、狙い撃ちされるに決まっている。
―――青い空を羽ばたく白い鳥を少しでも妬んでいたことになる。この黒い翼と躯を白にすげ替えてあの青い空を飛び回りたかったのかもしれぬ。
如何せんあれに捕らわれてしまったことはまごうたる事実。もう逃げられぬ。己は死ぬまで、否、死んでからも恒久的に逃げられぬ。翼をもがれ、田園の軽鴨と堕ちた鴉はそれをすげ替えることもできずに、ただ、あれが成長するに邪魔な虫を排除してゆくのみ。でも完成したあれはまさに田園のそれのようにまた誰かに喰われる運命かもしれぬ。それまでの己の努力は何だったのだ、と後悔する時が来るかもしれぬ。だが、あれは完成することはない、そして完成したとしても誰かに喰われることなどありはせぬ、と何故か確信している。
と、まあ非常に愚かしい哲学を己の中で創り上げているわけだ。あれも大して己と変わらないことを考えているであろう。己みたく全てが嫌いだったわけではなさそうだが、少なくとも己の薄っぺらい笑顔は殺したいほど憎かったことだろう。
仲が良い、ってそんな一言で俺たちを片付けてしまうには少々惜しくないか?
好きじゃない、嫌いだ。
愛しているんじゃない、寧ろ何も想わない。
側に居たいんじゃない、―――――――
それでも己とあれは同じ篭の中で終わらぬ狂想曲を奏でているだけだ。
誰かが篭を壊してくれたら俺は真っ先に出て行ってやるよ。
閲覧は全て自己責任でお願いします。
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差別的発言等相応しくない表現、また史実に沿わない表現があろうかと思います。
しかしあくまで一個人の思想、一個人の作品であることを予めご了承願います。
二時創作ですが掲載されている作品の著作権は管理人にあります。
無いとは思いますが、盗作・転載等はお止め下さい。
基本的に各キャラの性格や関係はそのお話ごとに違うと思って下さい。
つまり同一人物ではない、ということです。
同じとみなしてしまうと色々こんがらがってしまうと思います。
それを踏まえた上で御覧になって下さい。
日和→細道中心に、飛鳥、天国。受け攻め関係ない。話によって蕎麦だったり芭曽だったり、色々。シリーズ越えもするかもしんねえぜ。
バサラ→今はほぼ更新停止状態。真田主従、サナダテ、時々瀬戸内。こちらもあまり受け攻めは関係ない。
2月7日生まれ。
太子と一緒の誕生日。
暇があれば妄想をしているちょっと残念な人。時間を持て余すことなど・・・ない!
今は日和中心だが歴史系には常に飢えている。普通に歴史小説も読むし、色々勉強したりもするが、ゲームをすることも多い。
BLにおいて受け攻めの拘りはない。リバ、いいよね!